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機動戦士ガンダムSEEDMEMORY

機動戦士ガンダムSEEDMEMORY

STARG15 二つの運命(さだめ)

リンはその頃、司令室へと向かって歩いていた。リンが射撃特訓中に放送が入ったのだ。キラと共に練習していたのでキラもこのことは知っていた。キラも一応同行ということになる。キラは歩きながらリンに話しかけた。

「一体・・・マリューさんはどうしたんだろう?君に用事って・・・」

「・・・さぁ・・・」

二人は司令室へとたどり着いた。中にはマリューとバルドフェイドがいた。バルドフェイドの手にはコーヒーカップがあり、マリューに手渡すとマリューは一口飲んでみる。そして、バルドフェイドに渡す。バルドフェイドは顔を覗き込むようにマリューに聞いてみる。

「どうだ?今度は自信作なんだが・・・」

「そうね・・・ん~・・・まぁまぁかな、あともう少しお砂糖を入れればピッタリかも」

「なかなか君の味を解読するのも難しいものだ」

キラはそれを見て微笑むと「マリューさん」と呼んだ。マリューは振り返ると「あら?」といい、振り返った。そして、敬礼するとキラとリンは敬礼をした。そして、キラ達に近寄る。

「お忙しかったかしら?」

リンは首を振り「全然」と言った。それを聞くとマリューは微笑んだ。バルドフェイドは前に出るとキラに向かっていった。

「似たもの同士・・・っていうか?お前ら・・・ずいぶん仲がいいみたいだしな。僕から話すのもまぁ・・・そのなんだ。迫力がないからな、艦長直々に話してもらおうか」

そういうと、マリューは横で笑った。バルドフェイドは困った顔をした、カガリもそのとき司令室に入ってきた。そして、敬礼をするとマリューも敬礼をした。

「どうしたんだ?こんなところで・・・それに、改まったようにして・・」

「丁度良かったわ、カガリさんも聞いて」

そういうと、全員がマリューを囲むような格好になった。そして、マリューが真剣な目つきで全員を見、そして、口を開いた。

「これは・・・最近になって分かったことよ・・・今・・・プラントでは何かが起こってる・・・ラクスさんを狙ってきた・・・ってことは・・・プラントに取ってラクスさんは邪魔・・・ってことになるわ。それに、リン君からの証言によれば・・・大西洋連邦との条約をオーブは結んだと言うこと・・・そうなれば・・・ザフト軍の力は小さくなり、地球軍の力は・・・計り知れないものになるわ。正直・・・もし、私達がザフト軍と力を組んだとしても・・・こちらが負けるわ。フリーダムの力をフルに使えるキラ君がいてもね・・」

全員が緊張する。バルドフェイドは考え込むとマリューに向かい言った。

「それに・・・こちらにはカガリがいる・・・。つまり、僕達も狙われる可能性は十分にあるって・・・ことか」

「それに・・アークエンジェルといえど・・・機体は少ない、もし、ザフト軍が地球軍と組んだら・・・僕たちは死ぬ・・か」

カガリはしゃがみ込んだ。そして、涙を流した。

「全部・・・私の情なのか・・・?私がキラに助けを呼んだから・・そのまま結婚すればよかったのに・・」

そういうと、キラはしゃがみ込みゆっくりと震えるカガリの肩を支える。そして、カガリに向かい言った。

「言ったろう?僕は何もしてあげられなかった・・だから・・・今度は僕達が・・カガリにしてあげる番だ。自分ばかり・・・責めちゃダメだ。ね?こんなこと・・とっくに予測してたことさ・・・。だから・・・もう泣かないで。ね?」

そういうと、カガリはキラに抱きついた。キラは優しくカガリの頭を撫でると自分の胸に引き寄せた。そして、立ち上がると「話を続けてください」といった。マリューは頷くと再び話し始めた。

「リン君に来てもらったのはほかでもない・・・リン君は今はアークエンジェルにいるけど・・・無所属に近いわね?」

「え?あ・・・はい。そういうことになりますね」

「それで折り入って頼みがあるの・・あんまり・・・好ましくないことだけど・・・」


rin
リンは黙って頷いた。マリューはなかなか言い出せそうになかった。バルドフェイドはそれを見るとため息をつきマリューの肩を叩いた。そして、自分に指を向け「僕が言うよ」というと、リンを見た。そして、はっきりな圧迫感ある声でリンに言った。

「君にはプラントに行って状態を見てほしい。何、心配はするな、情報とはいえプラントの様子を知らせてくれればいい、別に変わりようのない場合は戻って来い、だが・・・戦うことダメだ。それこそ、ザフト軍と敵対となる・・・いいな?」

「いいな?って・・・まだリン君がやる、ってわけじゃないでしょ?」

そういうと、周りにいたものは笑った。リンは微笑むとマリューに向かい言った。

「別にいいですよ、その代わり・・・ナナミを預かっててくれませんか?それが交換条件です」

そういうと、マリューは微笑みながら「もちろん」と言った。そして、バルドフェイドは「ふむ」というと、キラに向かっていった。

「キラ君、すまないが・・・途中まで彼を送っていってあげてくれないか?アークエンジェルのほうは問題はないが彼に何かあったら申し訳立たないからな、場合によっては僕が出るから安心してくれ。頼めるか?」

そういわれるとキラは黙って頷いた。それを見て、リンは「ありがとう」といい、手を差し出した。キラは微笑みながら手を握ると二人は握手を交わした。




『光と闇』

今こそ 歩き出す 道を 探し続け

闇という暗闇の中 彷徨い 正しき道探し 歩き続ける

果てしなき闇を突き抜けて 希望を僕らは探し続け

振り向かず前を向き ただ歩いて 自分たちの居場所を探し出す

たとえ 辛いことがあっても ただ 前を向き歩き続けて

この胸に秘めた勇気を 振りかざして 闇を消し去り、光に照らそう

悲しみも孤独も消し去って 未来への鍵は 自分たちの手の中

静かに 光の鍵を 振るい翳して







格納庫にたどり着くとリンは普段着、キラはオーブのスーツに着替えた。そして、それぞれ設定に入るそして、設定が終わり『GANDAM』と表示された。そして、すべてがクリアされ、発進準備完了となる。そして、まずリンが先に行くことになった。

「リン・アーカー、ナイツオブディスティニー・・・行きます!」

そういうと、ナイツオブディスティニーガンダムは大空へ飛んで行った。次にフリーダムがセットに入る。そして、すべてがクリアと出、発進準備完了となった。モニターにラクスの顔が映る。

「キラ・・・無事に帰ってきてくださいね」

そういうと、キラは微笑みながら「うん」といい、思いっきりレバーを押した。フリーダムも大空へと飛んでいった。フェイズシフト装甲が発動し色が変わる。そして、二機とも並んで飛んだ。それは、二つの大きな翼だった。そして、プラントへ向かい飛んでいった・・・・・。










その頃、フォーンはプラントへとたどり着いた。プラント内へ入ると、フォーンはなぜかドキドキしていた。実は言うとフォーンがプラントへ来るのは初めてだったのだ。フォーンは手渡されたプラントの地図を見ながら歩いていた。色々とザフトと同じ声をかけられたが、それはなんとか無視しながら歩いていた。そのとき、声をかけてくるものがいた。振り返ると何かにぶつかったか尻餅をついてしまった。

「痛ッ・・・・う~・・・」

ゆっくりと見上げてみるとそこにいたのは腰まであるかのような髪の長い男性。髪の色は黒で、目はやや細く服装は最高評議会のものが誰もが着ている服で豪華でそれを見ると圧迫感がある。だが、その優しそうな目と顔立ちが安心できる。フォーンは一瞬で分かった、ギルバート・デュランダル議長だと。デュランダルはフォーンに手を差し出した。

「やはり君か・・・よく来てくれたね。大丈夫かね?」

フォーンはデュランダルの手を握るとデュランダルは引っ張った。そして、フォーンはゆっくりと立ち上がりフォーンは立ち上がるとデュランダルに頭を下げた。

「すいません・・・その・・・よそ見してて・・・議長にぶつかってしまって」

「いいんだよ。気にすることではない・・・それより、来てくれたのは嬉しい事だ。君の腕を見込んで頼みたいことがあったのだ」

「私の・・・腕を見込んで・・・ですか?」

「ふむ。とりあえず、ここで話すのもなんだ。私の部屋に来なさい」

そういうと、デュランダルのあとをフォーンはついて行った。そして、着いた先は薄暗い部屋で大画面が目の前にあり、その前に机があり、その前にはソファーが置いてあった。

「さて、そこに腰掛けて」

そういわれるとソファーにフォーンは座った。そして、秘書らしき人が飲み物をフォーンの前に置いた。フォーンの前にデュランダルが座る、そして、いっぱい飲むと「いい味だ、飲んでみるといい」と言った。フォーンはゆっくりと飲んでみる。味はよくデュランダルに向かい「美味しいです」と言った。デュランダルは「そうか、お気に召せてよかった」といい、真剣な目をした。フォーンに緊張が走る。

「今・・・地球軍は我々プラントに行ったことを知ってるかな?」

「え?あ、はい・・・。プラントに向かって・・・核攻撃をしたんですよね?」

「そういうことだ・・・そして、太平洋連邦との同盟・・・ザフトは今危険な状態である・・・それはわかってほしい。だから・・・今、君の力を貸してほしい・・・君に新たな力を授ける・・・だから、君を呼んだんだ」

「私に・・・新たな力?」

「そう・・・着いてきなさい」

そういうと、再び移動した。そして、ついたのは暗い部屋だ。何も見えず、真っ暗だった。そして、デュランダルが指を鳴らすと証明がつき、フォーンの前に一機のMSが現れた。フェイズシフト装甲のため色は分からない。だが、モデルはほぼガイアと同じといっていい。背中には二つの翼があり、左手に盾を装備している。そして、肩の部分には長いレールガンがついていた。

「これは・・・・?」

フォーンがそう聞くとデュランダルは微笑みながら言った。

「ZGX-109・・・フロストリバーガンダムだ。機能はフェイズシフト装甲搭載・・・デュートリオンビームがあればいつでもENは回復できる。水中でも戦えるほどの力はある・・・心配しなくていい・・」

「フロストリバー・・・ガンダム」

フォーンはつぶやきながらフロストリバーガンダムを見た。その美しさは見とれてしまうものがある。デュランダルは横目で見るとフォーンに言ったのかフロストリバーに言ったのか分からないが問いかけるように言った。

「戦いをとめるすべはないのか?平和とは・・・ないものなのか?それは・・・自分が切り開くものか・・・決めるのは君次第だよ」

そういうと、デュランダルはフォーンを見た。フォーンもデュランダルを見る。その瞳は何かを期待しているかのような目だった。

「決めるのは・・・君だ・・・フォーン・・」

フォーンはフロストリバーガンダムを見、デュランダルを見た。そして、フロストリバーガンダムを最後に見ると手を強く握り締めた。



『アメノナカ』

雨の振る あの公園で 静かに震えていた子猫が

なぜか、子供のときの自分に見えた

それは自分が可哀想だからと 思ったからかもしれない

ひとつの写真 それが最後の君の面影だから

君がいてくれた あのときを 思い出したいけど 忘れてしまう

でも、ずっと 胸にしまっているから 私を思い出して

なぜか 今日の雨は 冷たく切なかった・・・





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